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充活動とダイエットと言いたいこと…

日産の臨時株主総会 開催なるか?

 

昨日の長~い記事、何人かの方に読んでいただけたようで、ありがとうございました。

現在は別の産業で働いていますが、自動車産業で仕事をスタートさせた私としては、言いたいことがたくさんあったので、書くことで思いを吐き出しました。ルノーの取締役会が会長職解任を否認したり、日産を法人として起訴する話が出てきたりと、まだまだ収まりませんね・・・。

さすがに元妻(リタさん)の突然の取材コメントには驚きましたが・・・。彼女、日本に住んでるときはレバノン料理のお店やっていたんですよね。何かしらの恩恵は受けているはずなので、それをなかったかのように、ゴーンさんと側近だけ批判するのは、どうなのかな、と思いました。

お昼前にこのような記事が出ました。

headlines.yahoo.co.jp

当然と言えば当然なんですけど。

ああ、IR部は今ごろ、大変なことになっているだろうな。大株主への説明や株総の前倒し検討、電話対応・・・とやはり同じ会社員として、その従業員の苦労を思ってしまいます。上が悪いことすると、とばっちりを受けるのはいつも従業員・・・。

さらにこんな記事も。

headlines.yahoo.co.jp

個人的にはS&Pの格付けはまったく信用していません。ここのクライテリア(評価規準)が私の考えとは合わないんですよね。どこが、という具体的な話に踏み込むと、また修士論文書いている気持ちになるので、止めておきます。

S&Pは置いておいて、臨時株主総会の話です。
もし開催されるのであれば、開催の1週間前まで召集通知が届くはず。明日(22日)の臨時取締役会での決定によっては、年内の臨時株主総会開催の可能性もあるのでしょうか・・・。今回は相当数の株主が出席することも予想されますから、場所の確保どうするんだ?!と思ってしまいます。一応、横浜のグローバル本社には600人収容できるNISSANホールがありますが、マイクや機材の設置などを考えると、500人がMaxだと思います。

そして開催するなら、平日じゃなくて土日にやってもらいたいと思います。多くの株主、個人投資家は平日本業がありますから、やはり土日開催にして、思いっきり株主の鬱憤を晴らさせてほしいと思います。(働き方改革の話もありますが、今回は“臨時”なので、議論外とします)

自分も運営側にいたので分かりますが、株主総会での質問者って、受付での抽選や仕込み(サクラ)などさまざまです。今回はどういうスタイルで行くのでしょうか。あまりにも優しい(応援します的な)コメントだけを質問者がするとしたら、間違いなく仕込み(サクラ)ですよね。そんなバカなこと、しないと思いますが。

もし、私が出席できて、質問できるとしたら、以下のようなことを要望したいと思っています。(これを考えながら、日産の有価証券報告書を熟読してしまいましたよ・・・。まぁ他企業の有報を読むのも仕事のうちなので、いいんですけど)
*日産では、「社外取締役」と表記していますが、「独立性」がないと意味がないので、ここでは敢えて、「独立社外取締役」と表記します。 

  1. 会社法およびコーポレートガバナンスコードに沿った報酬等委員会設置会社への移行の検討

    2006年施行の会社法東証金融庁が取りまとめ、運用を2015年に開始したコーポレートガバナンスコードに基づく委員会設置会社への移行は今後、日産が生き残っていくための第一条件だと思っています。これによって、今よりも取締役会の独立性や透明性の確保が可能になります。ちなみにコーポレートガバナンスコードはあくまでも指針です。東証上場会社には、年に1回コーポレートガバナンス報告書の提出が義務付けられていますが、複数の会社の報告書を見る限り、みんな似たり寄ったり、前年度のコピペなんて企業もあり、形骸化しています。しかも、このご時勢に英語版すら発行していない企業もある・・・。

  2. それに伴い、取締役会のメンバーの過半数を独立社外取締役員とし、執行体制の監督強化の体制を図ること

    現在の日産の取締役会のメンバーは社外3人、社内6人。しかし、委員会設置会社は取締役会の中に独立社外取締役過半数を占める指名、報酬、監査委員会を設置しなければいけないため、必然的に独立社外取締役の人数が増えます。

  3. 取締役会の独立性確保のため、取締役会の議長を独立社外取締役とし、経営との分離を図ること

    これは、あまり日本企業では重要視されていませんが、欧米企業では積極的に取り入れています。取締役会の役割とは、そもそも経営執行の監視監督です。そのため、議長が社内の人間ではまったく独立性が確保されていない、とみなされるわけです。(日産の場合、ゴーンさんが議長 11/21現在) 日本企業は議長の独立性が確保されていないことが多いため、企業や株などの格付け機関からは「透明性ゼロ」と指摘されることが多いですね。

  4. 加えて、独立社外取締役の見直しと選任基準の明確化

    はっきり言って、今回の件で独立社外取締役の役割はまったく果たされていなかったわけです。居ても意味ない人は居なくても結構。というわけで、現在の独立社外取締役の見直しと解任および選任基準の明確化を求めたいと思います。(コーポレートガバナンス報告書では「会社法などに基づいて~選任」と書いてありますが、不十分!)

  5. 監査役メンバーの見直し

    4人中3人が社外監査役ですが、独立社外取締役同様、まったく監査機能を果たしていなかったことが、今回の件で証明されたため、メンバーの見直しが必要だと思っています。ただし、これについては、委員会設置会社に移行すれば、一度解体、再度選任が行われると思います。

  6. 全役員に対するクローバック制度、Say on Pay制度の導入および適用

    役員は多額の報酬をもらっているからこそ、自らを律し、株主や従業員のために働くことが求められています。前回の記事でも書いた通り、自身の就任期間になんらかの不正行為があった場合は、その報酬の返還を求めるクローバック制度や、株主による報酬決定(拘束力はないが)意思を示すことが出来るSay On Pay制度の導入が不可欠。

  7. 役員報酬制度の明確化(業績連動だけではなく、サステナブルなクライテリアを含める)

    報酬委員会があるわけではないので、どのような制度(しくみ)に基づいて、報酬額が決定しているのかが不明です(だからこういう事件が起きたんだけど・・・)。Say on Pay制度の導入に伴い、報酬構成比率とその内訳の開示を求めたいです。実際にこういう開示がなされないと、上述したSay on Pay制度は導入できません。(というか制度導入の意味がないんですよね。株主の「判断基準」がそもそもないわけですから)さらに、短期業績のみでの報酬決定ではなく、長期的な視点のクライテリアも必要だと思います。

  8. 透明性確保のため、役員の評価分析、役員報酬などについて、適切に社外に開示すること

    これを実際に行っている企業は米国企業に多いです。Proxy Statementと言って、株主総会用の資料なのですが、これは日本企業の株主総会の招集通知と一緒に送られてくる事業報告書とはレベルが違います。役員の年齢、経歴、得意分野(経理、IT分野などが記載されています)、報酬の中身とその根拠がものすご~~~く詳細に書いてあります。こういうものがあるから不正がない、とは言いませんが、監視体制が強まるし、抑止力にはなると思います。(作成する従業員の負担が大変ですが・・・)

 

ちなみにGEのProxy Stetmentがこちらです。全76ページ。Proxy Overviewを読むだけでも面白いです。そしてELECTION OF DIRECTORS(取締役の選任)という項目でも、仕事の経歴(所属してきた企業だけではなく、実際にどういう仕事をしてきたか)が細かく記載されています。こういうのを見る限り、海外の大企業の役員にはプライバシーなんてないんだな、と思ってしまいますが。

というわけで、また長い記事になってしまいました。気持ちが止まりません。きっと、この8つ以外にも出てきそうです。また日産関係の情報が出てきたら、思いを書き綴りたいと思います。